昔読んだ村上龍のエッセイで、成田空港は都心から遠いが、海外旅行の余韻から現実に戻るには、その距離がちょうどいいという事を書いていた気がする。確か。
サーフトリップにおいても同じで、その日のサーフィンや波の余韻に浸るために、ちょうどいい距離が有ると思う。
自宅近くのポイントでのサーフィンは手軽で勿論楽しいが、サーフィン後には、やれ仕事だの、やれ買い物に行かなければ、と波の余韻はそこそこに即現実に引き戻される。
その点、千葉へのサーフトリップは良い。
年間を通して波は豊富にあり、ポイントを選べば湘南よりも混雑を避けられる。
サーフボードもロングボードと、ショートかフィッシュかミッドレングスの中からいずれか1本の計2本を持っていけば、ポイントの混雑とその日の気分で、充分楽しむことができる。
朝から夕方まで思う存分サーフィンした後、北千葉であれば、京葉道路や東関道から首都高湾岸線、横浜新道、国道1号と、約2時間で湘南に帰ってくることができる。
サーフトリップにおいて、その日乗った波を思い出しながら余韻に浸って帰るには、1時間は短く、3時間は長い。ということで近場のサーフトリップは2時間の行程が丁度良い。
帰路、首都高速湾岸線を通り、夜景に浮かぶ葛西臨海公園の観覧車が見えてくると、その綺麗さに相変わらず感動するし、国道1号の原宿交差点から遊行寺を過ぎると、どこかのんびりとした雰囲気になり、あぁ湘南に帰ってきたなと感じる。
他の近場のトリップ先である伊豆のように、常時下道、クネクネ道で、アクセス・ブレーキ・ステアリングと忙しない運転が必要なわけでもない。(伊豆は道中に絶景ポイントも多く、千葉に負けず劣らず素晴らしいトリップ先である事は疑う余地もない)
ガソリン価格の高騰もあり行く頻度は減っているが、波乗りとドライブ、一石二鳥を味わえる千葉へのサーフトリップは、やはりオススメである。