「弘法は筆を選ばず」。
でも弘法ではない一般サーファーが上手くなるためにはサーフボードを選んだ方が良い。
サーフィンはとてもユニーク(個性的、独自性があるという事)なスポーツ。
それぞれの体格や乗り方が違うので全てのサーファーに万能なボード、所謂「マジックボード」は存在しないので。
そして残念ながら、全てのコンディションで調子が良いボードもない。
どうすれば出会えるか?
実際の話、マジックボードにはすぐには出会えない(と思った方が良い)。
まず自分のサーフィンを客観的に観てみることから始まる。
あらためて自分のライティングを撮影すると分かるが、初めて自分のサーフィンを見ると愕然とする人も多いだろう。
現実を受け止めるのは辛いけど、理想とのギャップに気づくためには重要なこと。
そのギャップを埋めるために、何が必要なのか。
・単純に自身のレベル向上なのか
・新たなステップアップサーフボードとの出会いなのか
これを見極めることができる。
自分のライティングを見て、そもそもボードについて色々語るのが烏滸がましいと思う場合は、ひとまず次のボードのことは置いておこう。
では次はボード選びのことになる。
よく言われる通り、色んなサーファーと関わりを待ち、サーフィンについて語り「スタイル」を知る。そしてシェイパーとコミュニケーション取るのが望ましい。
シェイパーと直接コミュニケーションを取るのが難しい人は、ショップを介してが良い。
そのショップが扱っているブランドにもよるが、大手(CIなど)の各サーフボードは明確なコンセプトで開発されており、ボードスペックもデータ化されているため、目指すレベルやコンディションに対応したボードを選べる。
仮にその時の自分には合わないボードだったとしても、データ化されているので、データを見返して何が違っていたのか考察して、次に繋げる事ができる。
しかし、そもそもボードカタログがない、あっても良く理解できない、ボードラインナップが少ないなどのショップや、ショップのスタッフがボードデザインを理解できていない場合は、ちょっと注意が必要だ。
私自身、ハンドシェイプを謳う湘南では有名なシェイパーに(ショップを介して)何本もサーフボードを作って貰ったが、思っていたのと違う、寸法を測ってみるとオーダーシートと違う、などなんだか良く分からないボードができてきたことが結構あった。
シェイパーやショップスタッフが、サーフィンを沢山している・サーフィンが上手い、という事と、ユーザーに良いボードを提供できる能力とは全く別の才能が必要になる。
「めちゃ調子良いんですよー、このボード」
それは分かったが、なぜそうなのか?
シェイパーやショップがその質問に対して説明できない、こんなケースがあると見切りをつけた方がよいかもしれない。
サーフボードは物理原則の元で機能する極めてエンジニアリングなものなので、デザインが理屈・原理原則に適っているか、ボードをデータで語れないと結局は良いボードに出会えず、お金と時間だけがかかり、上達の遠回りとなる。
・サーフィンを好きになること
・今の自分を知ること
・ボードデザインに対する理解を深めること
これを突き詰めていくと、マジックボードに出会えるはず。
昔はネットもなく情報が豊かではなく、私自身ゴミみたいなボードにも沢山乗ってきたので、これは間違いないと思う。
一人でサーフィンしてたり、ネットやコストコでボードを買っても、その先は続かない。
その先がさらにあるのかは、サーファーとしての熱意と行動にかかっている。