サーフィンを始めてから暫く経ってから
自分はどのくらい上達したのだろう
どれくらいのレベルなんだろう
と、徐々に思うようになり、先輩や周囲の勧めもありコンペ(試合)の道を歩み始めた。
上手くなるためや、自身のレベルを測るにはコンペは確かに有効だ。
また全日本レベルのコンペに出られるようになると、高いレベルのサーフィンを見ることで刺激になったり、全国各地のサーファーと知合い、友達になったりと楽しいことも多い。
一方で、コンペで全国各地の大会を回り始めると、以下のような負の側面も知ることになる。
・コンペの日程に合わせて仕事のスケジュール調整が大変。
・移動時間が長い。
・良いコンディションで試合をやる訳ではない。どちらかと言うとクソ波が多い。
・試合は1ラウンド15分と短いが待ち時間が長い。
・勝ち進んでも1日3ラウンドがいいところ。つまり8時間の拘束時間に対し、
サーフィンの時間は1時間以下とタイムパフォーマンスが悪い。
・エントリー費、高速代、ガソリン代、宿代、食事代と、結構な支出額になる。
・なのだがアマチュアの試合だと賞金は無く費用回収ができない。
・一コケ(一回戦負け)なんてした日には、良いことなんて何もなく目も当てられない。
何年コンペに情熱を注いだか正確には覚えていないが、大きな大会でファイナリストになったり、優勝したりすることが増えてくると、嬉しさもある一方でコンペを冷静に考えるようになった。
何よりサーファーとして大事な、その時・良い波に乗る、という事ができなくなっていないか、と。
また
楽しむためにサーフィンを始めたのに、試合での勝負けや、人と比べての順位付けに満足してて良いのか、と。
そんな思いを抱え始めた時、コロナ禍となり試合は軒並み中止。これを機にコンペを辞めた。
コンペ時代は、シーズン中はどんなコンディションでも、とにかくロングボードだけ乗って試合用の練習をこなしていた。
でも今は波のコンディションや気分に合わせて、ショートボード、ミッドレングス、ロングボードと乗り換える。
ホームの湘南でサーフィンする場合は、良くないコンディションも多いので、その時はそれ相応のボードチョイスする。
サーフィンするポイントも、試合では行かない場所を知ったり、長い休みが取れる場合は、その日・その時コンディションが良い場所でサーフィンするようになった。
一生懸命練習したコンペ時代より、あまりシリアスにサーフィンしていない今の方が波を上手く使えてサーフィンは上達していると感じている。
もともとユニークなサーフィンというものをコンペの枠に強引にはめていた事で自分自身でサーフィンの幅を狭めてしまっていたと分かった。
その時のコンディションにあった板を選び、その板に合った乗り方にフォーカスする。
人生は短く有限だし、サーフィンは、やはり楽しんでやりたいもの。
次のサーフィンに備えて、身体をしっかりメンテナンスして、板を準備しておく。
サーフィン始めて20年以上経つが、ようやくそんな大事なことに気づき始めた。
「キープサーフィン」レジェンドが言った言葉は、シンプルで本質を得ている。
サーフィンがより楽しくなるかは、これからにかかっている。